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『空き家対策』について ~錆び朽ちる~

 

 

 

親が張りきるシーン

子どもを持つご家庭の方なら子の成長における典型的というか、象徴的なシーンというのがいくつかあると思います。テレビや漫画などでもよく描かれるのが、鉄棒の逆上がり習得に子どもに懸命に付き添うシーン、あるいは自転車に乗れるように幾度となく特訓する、などが思い浮かびます。

さてわが家の末っ子は先月8月にある疾病にかかり、子どもからすれば長い間入院生活を余儀なくされていました。退院後もしばらくは安静が必要なため保育園でも体を動かすことが禁じられていました。

体を動かしたくてウズウズしていた末っ子、この前の休日についに公園遊びが解禁となりました。そしてどうせなら、ということでそのタイミングで人生初の自転車にチャレンジをさせてみました。近くの河川敷に行き、ヘルメットとプロテクター、絆創膏など準備万端で特訓を開始しました。これまではペダル無し、コマ無しで両足で蹴りながら進むバイクでしたが、今回の初・自転車でペダルを漕いで進むことを軽く教えました。第一回目チャレンジという事で、身を案じながらも背中をそっと押してやりました。

親とすれば印象に残るシーンなので動画を撮っていたのですが、予想に反してスイスイと漕ぎ出し、そしてそのまま河川敷の彼方へ消えていきました。非常に驚きポカンとしてしまい、その後急いで探しに行きました。

親としては今日一日は自転車の練習だ、と張り切り気合いが入っていたのですが、すぐに運転ができてしまい、その後はこちらが見失わないように必死に走り回る羽目になってしまいました。

ニュータウン

大阪には千里ニュータウンという地域が有ります。筆者の居住はそこではないのですが、幼い頃百貨店やデパートの遊び場や、ピアノの発表会などお出かけにはよく訪れておりました。千里ニュータウンとは1962年、日本で初めての大規模ニュータウンとして開発された場所です。大阪万博が開催されるという背景も有り、出来た当時は大変な賑わいをみせ、移り住む人も非常に多かったといいます。筆者の両親に聞いても、その当時はみんなニュータウンへの憧れがあったと言います。ちなみに1970年代に起きたオイルショック、オイル不足でトイレットペーパーが無くなるとされたトイレットペーパー騒動は、この千里ニュータウンの中心地、千里中央で初めに起き、それが全国に波及しました。逆に言えば、千里ニュータウンにはそれほどの賑わいや影響力が有ったということでしょう。

しかし現在、千里ニュータウン開発から60年近くが経ちました。当時の状況は一変しています。

その当時若かったサラリーマン世代が挙ってニュータウンへ移り住み、時が経って子どもが巣立ち、やがて定年を迎えました。そして今では人口は減少し、高齢化が急速に進んでおります。人口減少、高齢化社会とはまさに日本の縮図のようにも思えます。筆者の高校や大学時代の知人の多くは千里ニュータウンに住んでおりました。なかには知人のご両親にも親しくしていただいた家族もあります。今は首都圏に移り住み、残されたご両親が一軒家を持て余し、利便性の高い、都心のマンションに移り住むというケースを見ております。こういった影響で現在は空き家が増え続けております。

空き家が増えれば、不法侵入などにより人目に付かない場所での犯罪が起こり易くなります。つまり犯罪の温床になり得ます。

また、空き家として長い間放置することで建物内部も腐敗、水道設備なども錆びて朽ちます。使われていない家屋は朽ちるのが早い、とよく言いますね。

また近年非常に増えてきた自然災害は、長年放置してきた建物倒壊の危険性をさらに高めます。

空き家で懸念される事案について、次回以降ではそれらの対策等について述べていきたいと思います。

 

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