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『錠前』について ~心張棒と江戸庶民の暮らし~

寒波襲来

先週に寒波が襲来し、全国各地で大雪が降りました。なかでも関越自動車道では、想定外の大雪により、車2,000台が立ち往生し、50時間以上車内に閉じ込められた方もいらっしゃったそうです。筆者もSNSなどで立ち往生に関する投稿をしばしば閲覧しておりました。

どうにもならない状況で自衛隊の方が救助にあたられた感謝の投稿や、また一人きりで辛い時でも他社とつながり合えるSNSの重要さが散見されました。そしてもう一つ、ガソリン車であったがゆえに、車内でも閉じ込めにも長時間耐えられた、という事が挙げられておりました。ガソリン車は、ガソリンエンジンの内燃機関により、エンジンから発する熱を車内に流し込むことで暖房効果を得ております(排熱の二次利用)。さらに成熟したガソリンエンジンの技術により、性能の良い低燃費の日本車は長時間のアイドリングにも耐え得ることが出来ました。

しかしもし、これがEV車であればもっと深刻な事態になっていた事でしょう。電気自動車では、どのような形式のバッテリーであっても、寒冷地でのパフォーマンスは落ちてしまいます。また電気自動車の暖房設備は、ガソリン車の排熱を二次利用する形式とは異なり、別に暖房設備を備えている為、余計にバッテリーの電力消耗を引き起こし易い状況となってしまいます。

昨今のカーボンニュートラル、脱炭素社会が声高に唱えられる中、図らずも関越道でEVのデメリットが浮き彫りになってしまいましたね。また最近では、政府が2030年代に新車でのガソリン車販売をなくす検討をしていることに、日本自動車工業会会長である豊田章男社長(トヨタ社長)が、EV車は製造段階や発電段階で、CO2を多く排出していることにふれ、脱ガソリン車を一概には賛成できないと言及していました。

これらについては、今後のさらなるEV車製造技術の進歩、また充電インフラの整備拡大で少しずつ着実に改良されていく事と思われます。

 

心張棒(しんばりぼう)

「心張棒」と言っても、若い方たちにはあまり伝わらないかもしれません。戸を締めておくためのつっかい棒であり、筆者の幼少時はさすがに家の鍵は、今のようなシリンダー状の鍵でしたが、例えば下町の情緒を描いたマンガでは、木造の開き戸に心張棒で鍵をする、というのがよく見られました。また江戸時代の一般的な庶民は、鍵は心張棒が一般的であり、江戸落語にもオチとして心張棒が使われるものもあります。

江戸の庶民は当時、財産として守るものが無かったため、錠前を必要としませんでした。よく江戸っ子は、宵越しの金は持たない、などといいますが、財産を残すという事が江戸庶民には美徳として扱われていなかったようですね。

しかし他方で、商人や大名、名家の人々は、豊かな財産を保管した蔵を守るため、錠前が必要となりました。

江戸時代は争いもなくなり太平の世となった影響で、刀や武器などを鋳造する刀鍛冶職人の多くが職にあぶれたといいます。これらの人々が刀鍛冶の技術を錠前の製造に応用し、さまざまな錠前が誕生しました。

さて次回も「錠前」について、述べていこうと思います。

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